複雑結晶構造を有する硬質相の塑性変形機構
複雑な結晶構造を有する金属間化合物などの硬質相は,鉄鋼材料やNi基耐熱合金などの構造材料中に含まれることにより構造材料全体の力学特性に様々な影響を与えることが知られていますが,一方でその塑性変形挙動は十分に理解されていません.本研究室ではこれら硬質相の力学特性と変形機構を解明するとともに,硬質相の優れた特性を最大限に活用した新奇構造材料の開発を目指した基礎研究を行っています.
To reveal what no one has ever seen before!
構造材料を主たる研究ターゲットとし,新しい力学特性評価法であるマイクロピラー機械試験法を駆使したマイクロ~サブミクロンサイズにおける力学特性評価と,原子分解能電子顕微鏡法をはじめとする各種解析手法を活用した結晶構造・結晶欠陥構造の精密解析を組み合わせることにより,各種結晶性材料の塑性変形機構,特性発現機構を明らかにするとともに,得られた知見をもとに優れた力学特性を備えた新しい構造材料を創成することを目指した基礎研究を行っています.
複雑な結晶構造を有する金属間化合物などの硬質相は,鉄鋼材料やNi基耐熱合金などの構造材料中に含まれることにより構造材料全体の力学特性に様々な影響を与えることが知られていますが,一方でその塑性変形挙動は十分に理解されていません.本研究室ではこれら硬質相の力学特性と変形機構を解明するとともに,硬質相の優れた特性を最大限に活用した新奇構造材料の開発を目指した基礎研究を行っています.
マイクロピラー機械試験により,大型単結晶の育成が困難な材料や,バルクサイズでは脆性的な挙動を示す結晶性材料の単結晶を用いた力学特性評価が可能となり,これまでに様々な新しい知見を得ています.
極めて高い空間分解能(約0.08nm)を持つ最新型走査透過電子顕微鏡(STEM)を用いて原子配列を直接観察することにより,さまざまな結晶性材料の結晶構造や,転位,結晶粒界,異相界面といった結晶欠陥構造の解析を行っています.